遺言書に、娘さんに財産の全部を相続させるという内容を書くことは禁じられていません。こうすると、娘さんはあなたの財産を全てもらうことができるようになります。
ただし、通常であれば、息子さんにも遺産の取り分の最低保障があります。遺留分(いりゅうぶん)と呼ばれる権利で、この権利を使えば、息子さんは遺産を全部もらった娘さんから一定の財産を取り戻すことができてしまいます。
しかし、今回の場合、息子さんはこの最低保障の権利が使えない可能性もあります。
どういうことか?
そもそも、この最低保障の権利をもつのは、相続人だけに限られます。仮に息子さんが相続人でなくなれば、そうした権利も認められません。
息子なのに相続人ではない、などという可能性があるのでしょうか。
息子さんは、あなたに暴行を加えているというお話です。
法律上、被相続人(つまりあなた)に対して、
・虐待をした者
・重大な侮辱を加えた者
・著しい非行があった者
こういった人がいた場合は、相続人としての相続権を取り上げたい、と家庭裁判所に請求することができるという手続きがあります。専門用語で、「相続人の廃除(そうぞくにんのはいじょ)」と呼ばれているものです。
仮に、この請求が認められれば、長男はそもそも相続する権利がなくなってしまいます。それと同時に、さきほどの遺留分という最低保障の権利も失ってしまいます。
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